2020.5.15 改正法について 記事より

いわゆる「接待飲食店」は今後完全禁煙になるようです?!

コロナウイルス騒ぎが続きましたが、そろそろ各地で自粛明けが模索され始めました。
それでも引き続き自粛を求められそうな業種にいわゆる「接待飲食店」があります。

そんな中、一般社団法人日本水商売協会が「接待飲食店におけるコロナウィルス対策ガイドライン」を作成しました。


内容はこちら
そりゃ悪者扱いされる中、当然の対応だと思います。

その中で、お客を含めてすべての関係者が「必ずやるべきこと」として次の事柄が列挙されていました。

 

1つめをご覧ください。

「マスク着用。飲み物を飲む時以外は外さない。」とあります。

これを字義通り解釈すれば、飲み物を飲む時以外はマスクを外してはいけないわけですから、タバコを吸うためにマスクを外してはいけないことになります。
マスクを外さずにタバコは吸えません。
(少なくとも、飲み物を飲むためにマスクをずらす行為も「マスクを外す」に該当すると、このガイドラインは考えているようです。とすれば喫煙のためにマスクをずらす行為も同様に考えるべきでしょう)
もちろん、タバコは「飲み物」には含まれませんw

よって、このガイドラインを守る限り、今後「接待飲食店」は必然的に全面禁煙になると解さざるを得ないことになります。

タバコで新型コロナ感染症が悪化するというレポートは山のように出ていますし、これからも出るでしょう。
たとえば
「喫煙でコロナ重症化」報告相次ぐ 加熱式たばこは?
「コロナ重症化 受容体が影響か 持病・喫煙で増加も」

喫煙所でクラスター発生の可能性が指摘されているところ(たとえば「喫煙室でタバコ吸う人があまりに危なすぎる訳」)、喫煙可能店はイコール喫煙所であるため、その危険性が大いにあります。

よって、この「接待飲食店のためのコロナウイルス対策ガイドライン」が字義通りコロナウイルス対策のために作られたのであれば、お店を禁煙化することはもはや必然であると言えるでしょう。
きっと上記の日本水商売協会は、そこまで見越して上記ガイドラインを作っておられるものと信じます。
つまり、接待飲食店においてそもそも喫煙なんて想定されていないと。あたりまえじゃないかと。

 

なお、接待飲食店も「飲食店」である以上、喫煙しながら飲食可能であるお店は健康増進法の「喫煙可能店」としての要件を満たすこと、つまり①2020年4月1日現在において現に存在し、②小規模である必要があります(詳しくはこちら)。

これらの要件を満たしていないお店、たとえば本年4月2日以降に開業したお店や、客席部分の床面積が100㎡を超えるお店は、そもそも飲食しながらの喫煙は法律上不可能です(ガイドライン違反ではなく法律違反)。

仮に要件を満たしていても、喫煙可能室に20歳未満は立ち入ることはできません。よって20歳未満の従業員を雇用している接待飲食店は、事実上喫煙可能室を設置することができないでしょう。

また、東京都、秋田県、千葉市においては、従業員を雇っている場合は、上記の「喫煙可能店」の要件を満たしていても、飲食しながらの喫煙はそもそも不可能です(条例で定められている)。
「接待飲食店」はまず従業員がいるでしょうから、東京都、秋田県、千葉市においては、ガイドラインを待つまでもなく、飲食しながらの喫煙は不可になっているというわけです。

藤原 唯人(ふじわらただと)

本サイト作成者 弁護士 藤原 唯人 (ふじわら ただと)

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兵庫県弁護士会所属(2000年登録)
神戸パートナーズ法律事務所
(神戸市中央区)にて執務
http://www.kobepartners.net/
日本タバコフリー学会会員