改正健康増進法に関するJTの車内吊り広告について、飲食店がJTの書いている通り実施したら改正健康増進法違反になりますよという記事を昨年12/10に書きました。
「喫煙可能店」である場合、喫煙可能店であることと併せて、「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」が出入口の見やすいところに掲示されている必要があります(改正健康増進法33条2項、35条2項、附則2条1項)。
つまり「喫煙可能店」において、このJT広告記載の標識が掲示されているだけでは、健康増進法違反になります。
このことについて、landerblue社の永江一石氏にも取り上げていただきました。
本年2月4日のことです。
4月の改正健康増進法。悪のJTの中吊り広告の通りにやると、飲食店は罰金50万円だから騙されないでくれ。
と思っていたら、JTがいつの間にか、同じテーマで動画(アニメ)を作成していました。
知っておきたいタバコの新ルール というサイトです。
はてさて、私が指摘した改正健康増進法違反の点が改善されたかな・・と思って動画を見たところ、
改善されてへんやん!
いやいくらなんでもと思い、注意深く再度動画を見たら、
なんと ちっちゃーく 喫煙可能店と喫煙目的店の扉に何かが貼ってるではありませんか!
「喫煙可能店」の部分を拡大してみましょう。
左下に小さく何かが見えますww
もしかして、これで「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」を掲示する義務について告知したつもりなんですかねー
JTの動画を参考にして掲示を行ったものの、「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」を掲示していないため処分を受けた飲食店が出た場合に、
「ほら、ここに載せてますよ」
と逃げを打つためなんでしょうか。
改正健康増進法で求められているのは「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」を掲示することです。
これは単なるピクトグラムでしょ。これで改正健康増進法で要求される「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」を掲示する義務が履行されていると考えるのは、ちょっと無理があるんとちゃいますか?
さらにJTのサイトを見ても、「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」の掲示義務があるという、大事な点が触れられてません。
一応、20歳未満に関しては・・・
という記載のみなされています。
「法令により、指定された標識」とぼかされていますが、「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」であることまで説明するのが、誠意ある解説というものではないでしょうか。
厚労省が推奨する、喫煙可能店の標識は次のものです。
喫煙可能店は、小規模店舗の特例であり、店内全体が喫煙可能とするというのが典型になるでしょう。
それなら、上記の標識を周知することこそ適切な情報提供というものです。
JTのサイトは標識例として以下のようなものを挙げていますが、「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」を表記しなくてはいけない標識例を敢えて外しているんじゃないかと思います。
あとね、喫煙目的室の説明として次のようなものがあります。
これだけ読むと、この標識を掲示するバー・スナックは、店内で飲食しながら喫煙可能と思っちゃいますよね?
とんでもない。
喫煙目的室として認められるためには、
- たばこの対面販売(出張販売を含む)をしていること
- 屋内の場所において喫煙をする場所を提供することを主たる目的とし
- 設備を設けて客に飲食をさせる営業を行うものであること。ただし、通常主食と認められる食事(米飯類、パン類、麺類、ピザ、お好み焼きなど)を主として提供する場合を除く
とまあいろいろ条件があります(詳しくはこちら)。
上記掲示を貼ればOKと思ったら大間違いです。
正直ね、飲食店経営者のことを本当に大事に思い、改正法について適切な情報提供するつもりなら、こんなサイトの作り方はしませんよ。
結局、JTは飲食店経営者のことなんて、ちっとも大事に思ってないんじゃないでしょうか。
同時に「20歳未満の者の立ち入りが禁止されている旨」の標識を出入口に掲示しなければならないということが、
JTにとってもっとも周知されてほしくない事柄だってことが、よーく分かりました。
これは私が言ってることではありません。法律に書いていることです(改正健康増進法33条2項、35条2項、附則2条1項)。念のため。