2019.8.9 改正法について

全国の弁護士会館のタバコ対策の状況について

先だって全国の裁判所のタバコ対策状況をまとめました(こちら)。
これに続いて,全国の弁護士会の会館におけるタバコ対策状況,受動喫煙対策の状況をまとめました(令和元年(2019年)8月9日現在)。
各都道府県に1つずつ弁護士会があり(北海道と東京都のみ複数),それぞれ会館を持っています。
その弁護士会館におけるタバコ対策状況を次の通り色分けしました。

 

調査結果は次のとおりです。


弁護士会館も裁判所と同様,「多数の者が使用する施設」であるため「第二種施設」になります。ここでは,一般の方か会員(弁護士)かは関係ありません。
「第二種施設」は2020年4月1日の改正健康増進法施行において,原則として屋内全面禁煙となり,屋内に「喫煙専用室」を設けることができるようになります。
屋内で喫煙できるのはあくまで「喫煙専用室」であるため,喫煙以外の用途で用いることはできません。

よって,

Dに区分けされている会(5会),つまり廊下・談話室・駐車場など喫煙専用室以外の場所での喫煙を認めている会は,改正健康増進法に違反する可能性があるため,2020年4月1日までに対策を検討する必要があると考えます。

また,

Cに区分けされている会も(15会+日弁連),それだけでは安心できず,その喫煙専用室が改正健康増進法の要件を満たしておく必要があります。
すなわち,
●壁・天井で区画されていること
●出入口で0.2m/s以上の気流が必要
●タバコ煙が屋外または外部の場所に排気されること
といった要件を満たす必要があります。
のみならず,この喫煙専用室の出入口に標識を掲げるほか,弁護士会館の出入口にも喫煙専用室設置施設であることを示す標識を掲げる必要があります。
以上詳しくはこちらを参照してください。
これらの対策について,2020年4月1日までに対策を検討する必要があると考えます。


Bに区分けされている会(21会)はとりあえず安心でしょう。
ただ屋外であっても,受動喫煙を防止するべきという努力義務は課せられるため,屋外でも通り道などに喫煙所を設けることは避けるべきでしょう。


Aに区分けされている会(11会)は当然安心です。
テナントビルに入っている会は部屋の中が禁煙であれば,このAに区分けしています。
また裁判所の敷地内に会館がある会は,2019年7月1日の裁判所の敷地内禁煙に合わせて,敷地内禁煙に踏み切ったところもあるようです。自前の会館を持ちつつ敷地内禁煙であるのは,静岡県,兵庫県,山口県,佐賀県,熊本県になります。

なおさすがに

Eに区分けされている会はありませんでした。

調査にご協力くださった全国の先生方,弁護士会事務局の方々に,感謝申し上げます。

 

 

藤原 唯人(ふじわらただと)

本サイト作成者 弁護士 藤原 唯人 (ふじわら ただと)

プロフィールはこちら

兵庫県弁護士会所属(2000年登録)
神戸パートナーズ法律事務所
(神戸市中央区)にて執務
http://www.kobepartners.net/
日本タバコフリー学会会員