昨日の日経朝刊37面で慶応の岸博幸教授の発言として、むちゃくちゃくなことが書かれていた。
概要は次の通り。
①日本経済はこの25年間で少ししか成長できていない
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②その理由は生産性の低さに尽きる
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③企業はイノベーションが生み出されやすいオフィスを作ることが大事
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④イノベーションの最初の段階は、雑談やたわいない情報交換などを通じてヒントを探すプロセス
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⑤シリコンバレーの企業では大きなフロアの真ん中にコーヒーが飲めるスペースがある
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⑥日本では喫煙所がこの役割を果たしてきた。今後も喫煙所をオフィスに残すべきだ
しまった,昭和の古新聞を間違えて持ち出したかと日付欄をとっさに確認したww
令和4年1月28日であることを確認して、さらに驚いたww
もう何からツッコんでいいのか分からんww
とりあえず①~⑤はさておくとして、なんで⑥やねんwww
それでもツッコんでみよう
・日本のオフィスでは喫煙所があったはずなのに、この25年間生産性が低かったわけですね。思いっきり矛盾していますね。
・そもそも日本の成人の喫煙率は20%を下回り、16-7%程度です。
さらに若年層や女性は喫煙率は下がります。
以上のデータに鑑みれば、これからイノベーションを起こそうかという企業の従業員の喫煙率は16-7%を大きく下回ることが容易に想像できます。そんな一部の人しか集まれないスペースを維持して何が生産性やイノベーションでしょうかww
・労働時間のうち喫煙時間に充てられる時間が生産性を害してるということもしばしば指摘されることですww
・シリコンバレーがコーヒー飲めるスペース作って生産性上げてるんなら、それに倣ったらいいわけです。なんで喫煙所やねんww
以上、荒唐無稽過ぎる内容であり、本気で言ってるとしたら良識を疑うレベルであり、むしろ要約を作成した記者にハメられたのではないかとすら危惧します。
それでもなお喫煙所がイノベーションに必要だと思うなら・・
まあ、それでもなお喫煙所がイノベーションに必要だと考えるなら、
「当社では社員間のコミュニケーションを高め、イノベーションを生み出すため、喫煙所を設けています!」
と求人案内で明記すればいいのです。
上記の通り、若年層や女性ほど喫煙率が低い状況で、さあ果たして優秀な人材を集めることができるのでしょうか?
そもそも、改正健康増進法によりオフィスの中で喫煙できるのは、「喫煙専用室」だけです(紙巻きタバコについて)。
つまり、「専ら喫煙をすることができる場所」のみです。
イノベーションを起こすための雑談用の部屋ということであれば、それは業務に使用されるものになるため、「専ら喫煙をすることができる場所」ではなく、法令違反になってしまいます。
それどころか、言わば喫煙可能な雑談用会議室を設けるようなものであり、受動喫煙を防止するべきという(受動喫煙から守られるべきは喫煙者か非喫煙者かを問いません)法全体の趣旨に反しています。
たとえるなら、「産休育休を認めるとコストがかかるので女性は雇用するな」「寝る間も惜しんで働いてこそスキルアップできるから残業代なんか気にしない従業員を雇用したらいい」といった、時代錯誤の法令違反を推奨しているようなもので、相当恥ずかしいことを発言しているわけです。
ここまで荒唐無稽だと、アホくさすぎてむしろすがすがしい。
ご本人が喫煙者かどうかは知りませんが、もしご自身が喫煙する場所を確保してほしいということならば、生産性やらイノベーションやらと大層なことを持ち出さず、真っ正面からそう言えばいいのにと思います。