2019.7.4

経過措置としての喫煙可能室(飲食可)について

既存、かつ、経営規模の小さい店舗ならば、経過措置として、店内の一部または全部を紙巻きタバコを吸いながら飲食可能な「喫煙可能室」とすることが認められます。

より具体的には・・・

  • 2020年4月1日時点で現に存在していること
  • 資本金5000万円超の会社が経営しているものではないこと
  • 客席の床面積が100㎡以下であること

これら全てを満たす場合に、経過措置を使い、喫煙可能室(飲食可)を設置することができます。

今後、紙巻きタバコを吸いながら飲食可能な形態は、これしかありません。

店内全体を「喫煙可能室」にした場合

店内全体を「喫煙可能室」にした場合
店の出入り口に提示する
  • 店内全体において20歳未満立入禁止(お客も従業員も)
  • 店の出入口に掲示が必要になります(上の画像をクリックすれば拡大されます)

店内の一部を「喫煙可能室」にした場合

店内の一部を「喫煙可能室」にした場合
店の出入り口に提示する
店の出入り口に提示する
  • 喫煙可能室において20歳未満立入禁止(お客も従業員も)
  • 喫煙専用室は壁・天井で区画されていること
  • 店と喫煙可能室の出入口に掲示が必要になります(上の画像をクリックすれば拡大されます)

喫煙可能室の設備について

  • 喫煙専用室の出入口で0.2m/s以上の気流が必要
  • タバコ煙が屋外または外部の場所に排気されること
  • 但し、区画があるならフロアで分けることは許容される

喫煙可能室とは

喫煙可能室とは

店内の全体・一部を問わず、「喫煙可能室」共通の事柄です

喫煙可能室とは

  • 旣存かつ小規模の飲食店のための経過措置になります
  • 紙巻きタバコを吸いながら飲食ができる唯一の例外です
  • よって、改正法施行日(2020年4月1日)以降に開業する飲食店には適用されず、紙巻きタバコを吸いながらの飲食は一切できなくなります
  • また、改正法施行日前の開業であっても、規模の大きい飲食店は、適用されず、やはり紙巻きタバコを吸いながらの飲食は一切できなくなります
  • 営業時間帯の一部でも喫煙可にした場合、「喫煙可能室」扱いになります
    (つまり終日20歳未満立入禁止!

『既存』とは?

  • 2020年4月1日以降に経営者が変わったり、移転したりした場合、「既存」ではなくなり経過措置を受けられなくなるため、喫煙不可になる可能性があります。
    →たとえば2020年4月1日時点の既存店舗を、同日以降に別の経営者が買い取った場合は、経過措置を受けることができません。詳しくはQ&Aへ

その他の決まり

  • 「既存」かつ「小規模」であることの資料について保存義務があります
  • 喫煙可能室がある場合、都道府県に届出義務があります
  • 喫煙可能室を店内に設けていることは、広告宣伝にあたり表示する義務があります
  • 東京都内及び千葉市内においては、従業員を使用している飲食店は、条例により喫煙可能室を設置することはできません
藤原 唯人(ふじわらただと)

本サイト作成者 弁護士 藤原 唯人 (ふじわら ただと)

プロフィールはこちら

兵庫県弁護士会所属(2000年登録)
神戸パートナーズ法律事務所
(神戸市中央区)にて執務
http://www.kobepartners.net/
日本タバコフリー学会会員